「ちょっとそこまで…」という近所への買い物から、少し遠方の病院への付き添い、あるいは趣味の集まりへの参加まで、車での外出は私たちの生活において欠かせない移動手段です。しかし、足腰が弱くなったり、移動に不安を感じるようになったご家族がいる場合、「一緒に車で出かけるのは難しいのかな?」と感じる方もいらっしゃるかもしれません。
そんな時に役立つのが、「車載可能な福祉用具」です。車に積んで持ち運べるこれらの便利なアイテムを活用することで、外出時の移動の負担を軽減し、より快適に、そして安全に外出を楽しむことができるようになります。この記事では、車載可能な福祉用具とはどのようなものがあるのか、積み込みのコツ、安全な使い方を詳しく解説していきます。
CONTENTS
車載可能な福祉用具とは、車に積んで外出先で使用できる、コンパクトで持ち運びしやすい介護用品のことです。これらの用具は、外出先での移動をサポートし、歩行が困難な方や、長距離の移動に不安がある方の行動範囲を広げるのに役立ちます。
例えば、普段は自宅で杖を使って歩ける方でも、少し離れた場所へ行く際には車いすがあると安心です。また、歩行に時間がかかる方でも、シルバーカーがあれば休憩しながら自分のペースで移動できます。車載可能な福祉用具は、単に移動を助けるだけでなく、「また外に出かけたい」という気持ちをサポートする、心強い味方となるでしょう。
車載可能な福祉用具には、様々な種類があり、それぞれに特徴や用途があります。ここでは、主な車載可能な福祉用具を詳しく見ていきましょう。
車載可能な福祉用具の代表的なものの一つです。使用しない時はコンパクトに折りたたむことができるため、車のトランクや後部座席に積みやすく、持ち運びにも便利です。介助が必要な方向けの介助用車いすや、ある程度自分で操作できる方向けの自走用車いすなど、様々な種類があります。
歩行が少し不安定な方や、長距離を歩くのがつらい方の歩行をサポートする手押し車です。座面が付いているものが多く、疲れた時に座って休憩することができます。折りたたんでコンパクトになるものがほとんどで、車のトランクにも積みやすいのが特徴です。
より安定した歩行をサポートするための福祉用具です。四点で支えるタイプや、前腕を支えるタイプなどがあります。折りたたみ可能なものが多く、車に積んで外出先で使用することができます。
玄関の段差や、車いすでの移動が困難な場所に設置することで、段差を解消し、スムーズな移動を可能にします。折りたたみ式や伸縮式などがあり、必要な時だけ車から出して設置できます。
車載可能な福祉用具を選ぶ際には、いくつかの重要なポイントがあります。ご本人や介護をする方の状況に合わせて、最適な用具を選ぶようにしましょう。
車への積み込みや持ち運びの際に、無理なく扱える重さと大きさであることが重要です。特に介護者が一人で積み下ろしを行う場合は、軽量でコンパクトに折りたためるものを選ぶと負担が軽減されます。
頻繁に車に積み下ろしを行う場合は、簡単に折りたためるかどうかが重要なポイントです。ワンタッチで折りたためるタイプや、軽い力で操作できるものを選ぶと便利です。
外出先での使用や、車の振動などを考慮し、ある程度の耐久性があるものを選ぶようにしましょう。フレームの材質や耐荷重などを確認することが大切です。
最も重要なのは、使用する方の身体状況に合った用具を選ぶことです。
・車いすの場合: 体格や介助の必要性、自分で操作できるかどうかなどを考慮して選びます。
・シルバーカー、歩行器の場合: バランス能力や歩行能力に合わせて、安定性の高いものや、操作しやすいものを選びます。
車いすの座り心地や、シルバーカーの収納力、歩行器のブレーキ機能など、その他の機能も考慮すると、より快適に使用できます。
車載可能な福祉用具を選ぶだけでなく、実際に車にどのように積み込み、収納するかも重要なポイントです。安全かつ効率的に積み込むためのコツをご紹介します。
取扱説明書をよく読み、正しい手順で折りたたんでから積み込みましょう。無理な力を加えると破損の原因になります。
走行中に動かないように、シートベルトや固定ベルトなどを活用してしっかりと固定しましょう。特に車いすや歩行器などの重量があるものは、確実に固定することが大切です。
車のトランクや後部座席の足元など、スペースを有効活用しましょう。他の荷物との兼ね合いも考慮し、出し入れしやすい場所に収納することがポイントです。
車種によってトランクの広さや形状は異なります。事前に福祉用具のサイズと車の収納スペースを確認しておくと、スムーズに積み込むことができます。
周囲の安全を確認してから、ゆっくりと積み下ろしを行いましょう。特に坂道や不安定な場所では注意が必要です。
車載可能な福祉用具を長く安全に使用するためには、日頃のメンテナンスが欠かせません。また、安全に使用するための注意点も守りましょう。
使用前に、各部のネジや留め具が緩んでいないか、タイヤの空気圧は適切かなどを確認しましょう。
定期的に汚れを拭き取り、清潔な状態を保ちましょう。特に屋外で使用した後は、泥や砂などを取り除くことが大切です。
直射日光や高温多湿を避け、風通しの良い場所に保管しましょう。
急な坂道や不安定な場所での使用は避け、取扱説明書に記載されている耐荷重を守りましょう。また、使用中に異音や不具合を感じた場合は、直ちに使用を中止し、専門業者に点検を依頼しましょう。
定期的に専門業者による点検を受けることで、予期せぬ故障を防ぎ、安全性を維持することができます。
介護保険を賢く活用することで、経済的な負担を抑えながら、必要な転倒予防・対策用品を準備することができます。
車載可能な福祉用具は、移動が困難な方や、外出に不安を感じる方が、より自由に、そして安全に外出を楽しむための心強いサポートアイテムです。
この記事では、主な車載可能な福祉用具の種類と特徴、選ぶ際のポイント、積み込み方と収納のコツ、そしてメンテナンスと安全な使用方法について解説しました。ご本人やご家族の状況に合わせて最適な福祉用具を選び、車での外出をより快適で楽しいものにしてください。
介護用品をもっと詳しく知りたい方は、ぜひ「よぐGO」をご覧ください。
メールでのお問い合わせは下記にご記入、送信してください