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  • 公開日:2025.07.23
  • 更新日:2025.07.23

「夏でも起きる!?ヒートショックについて」

夏のヒートショック、その危険性を知っていますか?

ヒートショックというと、冬の寒い時期に起こる健康リスクというイメージをお持ちの方が多いのではないでしょうか。しかし実は、夏場でもヒートショックは発生するのです。特に高齢の親御さんがいらっしゃるご家庭では、この「夏のヒートショック」についての正しい知識を持っておくことが大切です。

今回は、これから親の介護が始まる40代~60代前半の方々に向けて、夏場のヒートショックの危険性とその対策について詳しくご紹介します。

1.ヒートショックとは?基本を押さえておこう

ヒートショックとは、急激な温度変化によって血圧が大きく変動し、心臓や血管に負担がかかることで起こる健康被害のことです。一般的には冬場、暖かいリビングから寒い浴室へ移動する際などに発生するリスクとして知られています。

しかし、夏場でも室内外の温度差が大きくなると同様の現象が起こりうるのです。特に近年は猛暑と冷房の効いた室内との温度差が大きくなっており、夏のヒートショックのリスクが高まっています。

夏のヒートショックはなぜ起きる?

夏のヒートショックが起こる主な原因は以下の通りです

1. エアコンの効いた室内と屋外の温度差室内が22℃程度に対し、屋外が35℃を超えるような状況では、10℃以上の温度差が生じます。

2. 冷房の効いた室内と浴室の温度差エアコンで冷えた部屋から湿度の高い浴室に入る際に体が急激な温度変化にさらされます。

3. 水分不足による血液の濃縮夏場は汗をかくことで水分が失われ、血液が濃くなりやすく、血圧の変動が起こりやすくなります。

2.夏のヒートショックの症状と危険性

夏のヒートショックが起きると、どのような症状が現れるのでしょうか?

主な症状

– めまいや立ちくらみ
– 吐き気
– 意識の低下
– 不整脈
– 最悪の場合、心筋梗塞や脳梗塞などを引き起こす可能性も

特に高齢者は体温調節機能が低下しているため、若い世代よりもリスクが高くなります。また、高血圧や心臓病、糖尿病などの持病がある方は特に注意が必要です。

統計から見る危険性

厚生労働省の統計によると、入浴中の事故による死亡者数は年間約19,000人にのぼり、交通事故による死亡者数の約4倍と言われています。その多くは冬場に発生していますが、夏場でも決して少なくありません。

3.高齢の親が特に注意すべき理由

高齢者、特に65歳以上の方々が夏のヒートショックに注意すべき理由は複数あります:

体温調節機能の低下

加齢とともに、体温を調節する機能が弱くなります。そのため、急激な温度変化に対して体が適切に対応できなくなり、血圧の変動が大きくなりやすいのです。

血管の弾力性の低下

年齢を重ねると血管の弾力性が低下し、硬くなります。これにより、温度変化に対して血管が適切に収縮・拡張しにくくなり、血圧の急激な変動が起こりやすくなります。

水分摂取量の減少

高齢者は若い世代に比べて喉の渇きを感じにくくなるため、水分摂取量が減少しがちです。夏場は特に脱水状態になりやすく、血液が濃縮されて血圧の変動リスクが高まります。

4.夏のヒートショックが起こりやすい場所と状況

夏のヒートショックは、特定の場所や状況で発生しやすい傾向があります。

1. 浴室での入浴時

冷房の効いた部屋から湿度の高い浴室に入る際、体が急激な温度変化にさらされます。特にシャワーを浴びる際に、冷たい水から熱いお湯に切り替えると血管が急激に拡張し、血圧が下がりやすくなります。

2. 外出時(室内から屋外へ)

エアコンの効いた室内から猛暑の屋外へ出る際に、急激な温度上昇により血管が拡張し、血圧が下がることがあります。

3. 帰宅時(屋外から室内へ)

逆に、猛暑の屋外から冷房の効いた室内に入る際も、急激な温度低下により血管が収縮し、血圧が上昇することがあります。

4. トイレ

エアコンの効いていないトイレは夏場でも比較的温度が高くなりがちです。冷房の効いた部屋からトイレに行く際の温度差にも注意が必要です。

5.夏のヒートショック対策:親の安全を守るために

ご高齢の親御さんを夏のヒートショックから守るために、以下の対策を実践しましょう。

住環境の整備

1. 室温差を小さくする家の中の温度差を5℃以内に抑えるよう心がけましょう。浴室やトイレにも小型の冷房器具や扇風機を設置することを検討してください。

2. 浴室の環境改善入浴前にシャワーで浴室内を冷やしておくと良いでしょう。また、浴室暖房換気乾燥機がある場合は、冷房モードを活用してください。

3. 断熱性の向上可能であれば、浴室やトイレの断熱性を高めるリフォームを検討しましょう。

入浴方法の工夫

1. 入浴前の水分補給入浴の30分前には、コップ1杯程度の水分を摂るよう促しましょう。

2. 湯温は適温に夏場は38~39℃程度のぬるめの温度設定が適しています。

3. 長湯を避ける夏場の入浴は10分程度を目安にし、長湯は避けるよう伝えましょう。

4. シャワーから入るいきなり湯船に浸かるのではなく、まずはシャワーで体を慣らしてから入浴するよう促しましょう。

日常生活での注意点

1. こまめな水分補給喉が渇いていなくても、定期的に水分を摂るよう声かけをしましょう。

2. 外出時の準備外出前には水分をしっかり摂り、帽子や日傘で直射日光を避けるよう促しましょう。

3. 急激な温度変化を避ける外出時や帰宅時は、一度玄関などで体を慣らしてから移動するよう伝えましょう。

4. 体調管理の徹底血圧や体温を定期的に測定し、変化に注意しましょう。

6.ヒートショックが起きた時の対応方法

万が一、ヒートショックの症状が現れた場合は、以下の対応を行いましょう:

1. 安全な場所に移動浴室内であれば、すぐに湯船から出て安全な場所に移動させます。

2. 体を横にするめまいや立ちくらみがある場合は、すぐに横になってもらいましょう。

3. 水分補給意識がはっきりしていれば、常温の水を少しずつ飲ませましょう。

4. 体温調節体が熱い場合は冷やし、寒気がある場合は温めます。

5. 医療機関への連絡症状が改善しない場合や、意識がはっきりしない場合は、すぐに救急車を呼びましょう。

7.親の介護を始める前に知っておきたいこと

親の介護を始める前に、ヒートショックのリスクを含めた健康管理について理解を深めておくことが大切です。

親とのコミュニケーション

ヒートショックのリスクについて親と話し合い、予防策を一緒に考えましょう。一方的に注意するのではなく、親の意見も尊重しながら対策を進めることが重要です。

専門家への相談

かかりつけ医や介護の専門家に相談し、親の健康状態に合わせた具体的なアドバイスを受けることも検討しましょう。

定期的な見守り

可能であれば定期的に訪問し、住環境や生活習慣をチェックしましょう。遠方に住んでいる場合は、見守りサービスの利用も検討してみてください。

8.まとめ:夏のヒートショック対策で親の安全を守ろう

夏のヒートショックは、適切な知識と対策があれば予防できるものです。特に高齢の親御さんがいらっしゃる場合は、住環境の整備や生活習慣の見直しを通じて、安全に夏を過ごせるようサポートしていきましょう。

温度差の少ない住環境づくりや、こまめな水分補給の声かけなど、できることから始めてみてください。また、親御さんの健康状態や生活環境に合わせた個別の対策を考えることも大切です。

親の介護に関する不安や疑問は尽きないものですが、一人で抱え込まず、専門家のアドバイスを受けることも検討してみてください。よぐGOでは、介護に関する様々な情報やサポートを提供しています。親御さんの健康と安全を守るために、ぜひ[よぐGO]のサイトをご覧いただき、介護に関する不安解消にお役立てください。親御さんとの穏やかな時間を大切にするためにも、正しい知識と準備で夏のヒートショックから守りましょう。